2014年 12月

<孵化したドラゴン>

深い霧を抜け、見覚えのない森の中を歩いていたら、ふと奇妙な鳴き声が聞こえて・・・誘われるように茂みをくぐり抜けた先には、ぽっかりと開けた場所が。妙に柔らかく心地よい土を踏みしめて細い木の根元に近づくと、そこには見たこともない生き物がいた。卵の殻が散乱し、まさに今孵化したばかりであろう弱々しい様子で、しきりにか細い声を上げつつ重そうに首をもたげて何かを探している。鳥のヒナのような・・トカゲのような・・・しかし哺乳類のような産毛も生えている。白い皮膚は毛細血管が透け、鳴けば鳴くほど桃色を呈し、やっとこさ持ち上げたコウモリのような大きな翼は、半透明で小さな爪がついている。大きな口は歯茎が見えるのみで歯は生えていない。極めつけに頭には小さな2本のツノ。震える手でシャッターを切ったと思う。

・・バサリ、バサリ。その時頭上で絨毯を振り回すような大きな音とふいに暗くなった周囲に、振り返りもせずに逃げ帰った。そのあと何度同じ場所に行こうと思っても辿りつけない。・・・これがその時の写真だよ。誰も信じてくれないけどね・・ 


ブログを見る→「生まれたてのリアルドラゴン、やっと完成!


今までと少し違う雰囲気で、生々しい現実感を意識した作品です。

この作品はコンテスト入賞目指して頑張ったのですが、残念ながらダメでした~(^_^;)でも我が家の展示担当としてとても頑張ってくれてます♪たくさんの好評もいただけて生みだしたかいがありました♪ぜひ実物を見ていただきたい子です(#^.^#)